花を咲かせる草と咲かせない草、何が違うの?

暮らしと科学のハテナ

お散歩していると、色とりどりのきれいな花を咲かせている草もあれば、緑の葉っぱばかりで花が見当たらない草もありますよね。

どうして花を咲かせる植物とそうでない植物があるのでしょうか?

どうして花を咲かせるの?

花を咲かせる草にとって、花は大切な種(タネ)をつくるための重要な役目を持っています。

虫や鳥を呼ぶための目印

・花粉を運んでもらうための工夫

植物は自分で歩いて動くことができません。そこで、チョウやハチなどの虫や、小さな鳥たちに花粉を運んでもらう作戦をとっています。花びらのあざやかな色や良い香りは「ここに甘い蜜(みつ)があるよ!」と知らせる看板のような役目を果たしています。

・確実になかまをふやす仕組み

虫たちが蜜を吸いにやってくると、体に花粉がつきます。その虫が別の花へと移動したときに花粉がめしべにつくことで受粉し、じょうぶな種をつくることができます。

花を咲かせる草と咲かせない草のちがい

植物のからだの仕組みをよく観察してみると、なかまのふやし方に大きなちがいがあることがわかります。身近な草たちを比べながら、その特徴を見ていきましょう。

なかまのふやし方のちがい

・花を咲かせる草(種子植物)

アサガオやタンポポ、チューリップのように花を咲かせる草たちです。めしべとおしべが出会い、受粉することで種をつくり、新しい芽を出してなかまをふやします。

・花を咲かせない草(シダ植物やコケ植物)

イノモトソウやスギナ、道ばたのしめった場所に生えるコケなどの草たちです。これらの草には花を咲かせる仕組みがもともとなく、花の代わりに「胞子(ほうし)」という目に見えないほど小さな粒を風などに乗せて飛ばし、なかまをふやします。

花が目立たないだけの草もある

・花粉を風に運んでもらう草(風媒花)

エノコログサ(ねこじゃらし)やススキ、イネのなかまにも、実はちゃんと花が咲きます。虫を呼ぶ必要がないため、あざやかな花びらやあまい蜜を持たず、地味な緑色や茶色をしています。一見すると花がないように見えますが、風の力を借りて花粉を飛ばし、種をつくっています。

・季節や成長を待っている草

春や夏には緑の葉っぱしか見えなくても、秋になると花を咲かせる草もあります。まだ株が小さくて栄養をたくわえている途中だったり、咲く季節をじっと待っていたりするだけで、時期が来ればしっかり花を咲かせます。

もっと知りたい人へのステップアップ

「どうして花を咲かせるのか」「花を咲かせない植物はどうやって生き残ってきたのか」という疑問には、何億年もの植物の歴史が関係しています。さらに詳しく調べたいときは、図書館の図鑑やインターネットで次のキーワードを探してみてくださいね。

植物が選んだパートナーシップの歴史

大昔の植物は、シダ植物のように水や風をたよりにふえていました。やがて地球上に昆虫があらわれると、昆虫と協力して効率よく受粉を行うために「花」を咲かせる植物(被子植物)が登場し、世界中に広がっていきました。「植物と昆虫の共進化」について調べてみると、お互いに助け合って進化してきた歴史がよくわかりますよ。

葉っぱの裏の秘密と胞子の観察

花を咲かせないシダ植物をみつけたら、葉っぱの裏側をそっとのぞいてみてください。小さな茶色いツブツブ(胞子のう)がたくさん並んでいるのを見つけることができます。ルーペを使って観察してみると、花や種を持たない植物がどのように命をつないでいるのか、その不思議な仕組みを実感できます。「シダ植物の生活環」をキーワードに調べてみるのもおすすめです。

まとめ

草が花を咲かせるのは、虫たちに花粉を運んでもらって確実においしい種をつくるためでした。一方で、花を持たずに胞子でふえる草や、風の力を借りて目立たない花を咲かせる草もいます。姿やかたちは違っても、それぞれが知恵をしぼって命をつないでいるのですね。

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参照元

・文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編」https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1387007.htm

・NHK for School「ふしぎエンドレス 理科5年 花から実へ」https://www.nhk.or.jp/school/rika/endless5/

・国立科学博物館「植物研究部 陸上植物の多様性と系統関係」https://www.kahaku.go.jp/research/db/botany/

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