温度計の仕組みを解説できる?意外と知らない温度計の世界!

暮らしと科学のハテナ

風邪をひいて熱を測るときやお部屋のエアコンをつけるとき、私たちは毎日のように温度計を見ていますよね。でも、ふと不思議に思ったことはありませんか?「どうして細いガラスの管や小さな機械の中に数字や赤い線が出てきて、熱い・冷たいがわかるんだろう?」と。

実は、温度計の中では目に見えない小さな変化が起きています。日々の暮らしの身近な疑問を深掘りしながら、温度計が温度をピタリと言い当てる仕組みを一緒に探検してみましょう!

どうして温度がわかるの?温度計の基本の仕組み

温度計にはいくつかの種類がありますが、どれも

「温度が変わると、物の性質も変わる」

という理科の決まりを利用しています。

温まると大きくなったり、電気の通りやすさが変わったり、光(赤外線)を出したり。温度計は、そうした物の変化をセンサーでキャッチして、私たちが読める数字や目盛りに変えてくれているのです。

1. 赤い液体「ガラス製温度計」

小学校の理科室やお部屋の壁でよく見かける、赤い線が上がったり下がったりする昔ながらの温度計です。

どうやって動いているの?

中に入っている赤い液体は、色をつけた灯油(白灯油)やアルコールです。

水や油などの液体は、温めると体積がふくらみ(熱膨張)、冷やすと縮む性質を持っています。

ガラスの底にある丸い部分(球部)が温まると、中の液体がふくらんで逃げ場を失い、細いストローのような管を上に上がっていきます。冷えると液体が縮んで下に下がります。「どれくらい上がったか」を目盛りで読めるようにしたのが、この温度計です。

【もっと詳しく!専門解説】液体の熱膨張率と毛細管

物体を温めたときに体積が広がる割合を「体積熱膨張率」と呼びます。液体はガラス(固体)よりも熱膨張率が大きいため、温度が上がるとガラス容器の広がり以上に液体が増加し、管をせり上がります。

また、わずかな体積変化でも目盛りとして見えやすくするために、液が通るガラス管(毛細管)の内径は0.1mm前後と非常に細く設計されています。

2. ピピッと一瞬で測れる「電子体温計」

わきの下にはさんで数十秒待つと、ピピピッと鳴って教えてくれるデジタル体温計です。

どうやって動いているの?

先端の金属部分の内側に、「サーミスタ」という特別な電子部品が入っています。

サーミスタは、温度が変わると「電気の流れにくさ(電気抵抗)」が大きく変わる性質を持っています。

体温計の中にある小さなコンピューターが、「今、どれくらい電気が通りやすいかな?」と測り、その変化を計算して画面に「36.5℃」といった数字で表示しています。

【もっと詳しく!専門解説】半導体の抵抗温度係数と予測アルゴリズム

サーミスタには、主に温度上昇に伴って電気抵抗値が減少する「NTCサーミスタ(負の温度係数を持つ半導体)」が使われています。遷移金属酸化物の焼結体で作られており、わずかな温度差でも敏感に抵抗値が変化します。

また、数十秒で測れるタイプは「予測式」と呼ばれ、測定開始からの急激な温度上昇カーブをマイクロコントローラー内の演算式に当てはめ、約10分後の平衡温(熱平衡に達した温度)を割り出して表示しています。

3. おでこにかざすだけ!「非接触型(赤外線)温度計」

体に触れずに、おでこや手首にかざすだけで1秒で測れる温度計です。

どうやって動いているの?

実は、人間も、机も、氷も、すべての物は自分の温度に応じた「赤外線(目に見えない光・熱の波)」を外に向かって出しています。温かい物ほど、たくさんの強い赤外線を出します。

この温度計のレンズの奥には「赤外線センサー」が入っていて、おでこから飛んできた赤外線の量をキャッチして、触らずに一瞬で温度を割り出しています。

この記事の放射を参照!↓
熱の伝わり方は三つある?!あなたは全部言える?

【もっと詳しく!専門解説】プランクの放射法則とサーモパイル素子

絶対零度(マイナス273.15℃)以上のあらゆる物体は、その表面温度に応じた電磁波を放射しています(プランクの放射法則、ステファン・ボルツマンの法則)。

非接触温度計には「サーモパイル(微細な熱電対を直列に接続した素子)」が組み込まれており、対象物から放射された赤外線を吸収して生じる微小な温度差を、ゼーベック効果によって起電力(電圧変化)に変換して温度を算出しています。

まとめ

温度計は、目に見えない熱を「膨らむ」「電気を通す」「光を出す」という物の変化に変えて教えてくれる、身近な大発明です。

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