ゆで卵の殻をむいたとき、底の部分がペコッと平らにへこんでいて不思議に思ったことはありませんか。「どうしてまん丸じゃないのかな」と疑問に感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
なぜゆで卵の底はへこんでいるの?
へこみの正体とできる仕組み
・気室(きしつ)という空気の部屋
卵の丸みの大きい方(鈍端部)には、「気室」と呼ばれる小さな空気のスペースが存在します。

・冷やされることで空気が入る
生まれたての温かい卵には気室がほとんどありませんが、外気に触れて冷えるにつれて中身が縮み、殻にある小さな穴(気孔)から空気が入り込んで気室が作られます。
・熱で固まることで跡が残る
卵を茹でると、白身が気室の空気に押し出された形のまま熱で固まるため、殻をむいたときに底がへこんだ状態になります。
・日が経つとへこみは大きくなる
卵の殻には肉眼で見えない無数の穴(気孔)があり、保管中に水分や二酸化炭素が少しずつ抜けていきます。その分だけ外から空気が入るため、日数が経った卵ほど気室が広がり、へこみも深くなります。
・ゆで卵がつるんとむきやすくなる理由
気室が大きくなった少し日数の経った卵は、白身の二酸化炭素が抜けて殻の内側にある薄皮(卵殻膜)と白身の間に隙間ができやすくなります。そのため、新鮮すぎる卵よりも殻がむきやすくなります。
さらに詳しく知りたい方へ:気室の科学
卵の構造をより深く見ていくと、生命を守る精巧な仕組みが見えてきます。
卵殻の内側には「外卵殻膜」と「内卵殻膜」という2枚の非常に薄い膜があります。この2枚の膜はほとんどの部分でぴったり密着していますが、丸みの大きいお尻側の部分でだけ2つに分かれ、その間に空気が溜まることで気室が形成されます。
殻の表面には「気孔(きこう)」と呼ばれる微細な穴が数千〜1万個ほど開いており、気室は親鳥が温める際にヒナが呼吸するための酸素を取り込む役割を果たしています。
さらに興味が湧いた方は、以下のキーワードを調べてみると生物学や食品科学の視点からさらに面白い発見があります。
・卵殻膜の構造(2枚の膜の役割や成分について)
・気孔とガス交換(卵が殻を通して行う呼吸の仕組みについて)
・卵の鮮度と比重(水に沈むか浮くかで気室の大きさと鮮度を確かめる仕組みについて)
まとめ
ゆで卵のへこみは、卵が呼吸し命を守るための「気室」という空気の部屋が残した自然のしるしです。
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参照元
・日本養鶏協会(たまごの構造と特性)https://www.jpa.or.jp/
・日本卵業協会(タマゴの知識・Q&A)https://www.jalc.or.jp/
・文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年 卵類

