海の水はなぜしょっぱい?どこから塩がくるのかをたどろう!

暮らしと科学のハテナ

多くの人は海の水は塩分が含まれており、しょっぱく、目に染みるのを知っていますよね?

しかし、「この塩分はどこから来るのか?」という疑問にあなたは答えることができますか?

その大きな疑問の答えを、地球の歴史や不思議な湖のお話と一緒にひもといてみましょう。

海の水はなぜしょっぱいの?

海の水をしょっぱくしている主役は、私たちが普段のごはんでも使っている「塩(食塩)」の仲間です。海の水1リットルの中には、およそ35グラムもの物質が溶け込んでいて、その大半が「塩化ナトリウム」という塩の成分です。

では、この塩分は一体どこからやってきたのでしょうか。実は、はるか昔の「雨」と「石」が深く関係しています。

雨が岩の成分を少しずつ溶かして川へ運んだ

空から降る雨には、空気中の二酸化炭素が少しだけ溶け込んでいます。そのため、雨水にはほんのわずかな酸性の性質があります。

この雨が長い年月をかけて山や地面の岩に当たると、岩の中に含まれている「ナトリウム」や「マグネシウム」といったミネラル成分を少しずつ削り、溶かし出していきます。溶け出した成分は、川の水に乗ってゆっくりと海へと流れ込んでいきます。

川の水もほんの少しだけ岩の成分を運んでいるのですが、その量はごくわずかなため、私たちが飲んでもしょっぱさを感じることはありません。

海から水だけが蒸発して塩が残った

川から海へと注ぎ込んだ水は、太陽の光で温められて「水蒸気」となり、空へのぼって雲を作ります。

ここが一番大切なポイントです。水は蒸発して空へと逃げていきますが、水に溶けていた塩分は海に残されたままになります。

海に水がたまり、水だけが蒸発し、川から新しい水とミネラルがまた運ばれてくる……。このサイクルが何億年、何十億年と繰り返された結果、海の中の成分がどんどん濃縮されて、今のようなしょっぱい海になりました。

大昔の火山ガスも混ざり合った

もうひとつの大切な要素が、地球が誕生したばかりのころの火山活動です。

大昔の地球では、たくさんの火山が激しくガスを噴き出していました。そのガスには「塩素」という刺激の強い成分が多く含まれていました。やがて地球が冷えて雨が降り注ぎ、原始の海が生まれたとき、この塩素が溶け込みました。

そこに、先ほどお話しした「岩から溶け出したナトリウム」が川から流れ込んで出会い、結びつくことで、塩の正体である「塩化ナトリウム」がたくさん作られたのです。

海だけじゃない!陸の上にある「塩の湖」のふしぎ

「川の水がたまって水だけ蒸発すると塩辛くなる」という仕組みは、海だけのものではありません。実は、陸の上にも海よりもしょっぱい「塩の湖(塩湖)」が存在します。

人がプカプカ浮かぶ「死海」

中東にある「死海(しかい)」という湖は、世界で一番有名なしょっぱい湖のひとつです。死海には川から水が流れ込んできますが、海へ出ていく出口がありません。

さらに、まわりがとても暑くて乾燥しているため、流れ込んだ水が太陽の熱でどんどん蒸発していきます。その結果、塩分がとてつもなく濃くなり、海水の約8倍から10倍もの濃さになってしまいました。塩分が濃い水は物を浮かせる力が強いため、人間が水に入ると、泳ごうとしなくてもプカプカと水面に浮かんで本が読めてしまうほどです。

一面が真っ白な塩の世界「ウユニ塩原」

南米のボリビアにある「ウユニ塩原(ウユニ塩湖)」も、大昔は大きな塩の湖でした。長い時間をかけて水が完全に干からびたことで、地面に残った塩だけがどこまでも広がり、見渡す限り真っ白な大地が生まれました。

雨が降って地面に薄く水が張ると、まるで大きな鏡のように青空を映し出す景色で知られています。これも、水が蒸発して塩だけが取り残されるという自然の仕組みが作り出した景色です。

もっと知りたい人へ!一歩先の科学の世界

海の塩分や塩湖についてさらに詳しく調べたい人は、ぜひ図書館やインターネットで以下のキーワードを検索してみてください。

  • 内陸湖(無流湖)と塩湖
    • 川から水が入ってくる出口のない湖が、乾燥地帯でどのようにして塩の湖に変わっていくのか、地形や気候の条件を調べてみてください。
  • 塩類濃度の一定性(ディットマーの法則)
    • 世界中の外洋では、海水に含まれる主要な成分の比率がほぼ一定に保たれています。なぜ混ざり合って一定になるのか、地球規模の海洋循環を調べてみると理解が深まります。
  • 熱水鉱床(ねっすいこうしょう)
    • 海のミネラルは陸から運ばれるだけでなく、深海底の熱水噴出孔からもマグマの成分が供給されています。

まとめ

海がしょっぱいのは、雨が岩から削り出した成分と大昔の火山ガスが混ざり合い、水だけが蒸発して塩分がずっとたまり続けてきたからです。死海やウユニ塩湖のように、陸の上でも同じ仕組みで驚くような塩の景色が作られています。

おすすめ記事

海の水はなぜしょっぱい?どこから塩がくるのかをたどろう!
海の水はどうしてしょっぱいの?川の水との違いや塩分がたまった理由、死海やウユニ塩湖など陸にある不思議な塩の湖の仕組みまで、子供の疑問に寄り添って分かりやすく解説します。
なぜプラスチックじゃダメ?理科室の薬品がガラス瓶に閉じ込められている理由
なぜ理科室の薬品は割れやすいガラス瓶に入っているの?プラスチック容器との違い、薬品に溶けない理由、茶色い瓶の秘密など、日々の疑問を分かりやすく解説します。専門的な科学のハテナも紹介。
浸透圧って何?その仕組みについて
「浸透圧って何?」という疑問やハテナを持つ子供向けに、その仕組みと水を移動させるエネルギーの正体をわかりやすく解説!きゅうりの塩もみやナメクジの例をはじめ、分子の熱運動や専門的な法則まで身近な疑問をスッキリ解消します。
1秒とは?1秒の定義について解説!キミが信じる「1秒」は本当に正しいのか?
時計の針が刻む「1秒」は誰がどうやって決めたの?りんごのように目に見えない時間をどう区切ってきたのか、昔の測り方から現在のセシウム原子による定義まで、日常の「なぜ?」を子ども向けにわかりやすく解説します。
有機物と無機物の違いって何だろう?
「有機物」と「無機物」の違いを身近な疑問から徹底解説!なぜパンは焦げて腐るのに塩や石は腐らないの?炭素の有無や名前の由来、地球上に多いのはどっちかまで、子供の「なぜ?」やハテナをすっきり解消する入門記事です。

参照元

トップへ戻る
タイトルとURLをコピーしました