夜道を照らす街灯(がいとう)や、テレビのリモコン、信号機(しんごうき)。私たちの身のまわりには、たくさんの「LED」が使われています。
でも、「どうしてLEDは光るんだろう?」と聞かれたら、答えられますか?
じつはLEDの光り方は、電球(でんきゅう)とはぜんぜん違うしくみで光っています。この記事では、そのふしぎな理由を、できるだけかんたんな言葉で説明していきます。読み終わるころには、おうちの中にあるLEDを見る目が、ちょっと変わっているかもしれません。
1. 解説
LEDってそもそも何?
LEDは「発光(はっこう)ダイオード」という、電気の部品(ぶひん)の名前です。英語の「Light Emitting Diode(ライト・エミッティング・ダイオード)」の頭文字(かしらもじ)をとって、LEDと呼ばれています。
昔から使われている電球💡は、中の細い線(フィラメント)に電気を流して、線が熱くなることで光ります。焼いた鉄が真っ赤になって光るのと、似たしくみです。
いっぽうLEDは、熱くならずに、電気をそのまま光に変えることができます。だから電球にくらべて熱くなりにくく、長い時間使っても壊れにくいのです。
LEDの中には、2つの「へや」がある
LEDが光るひみつは、中に入っている小さな部品にあります。この部品の中は、2つの「へや(半導体)」に分かれていると考えてみてください。
へや(半導体)の種類
- 片方のへやには、マイナスの電気を持った小さな粒「電子(でんし)」が、たくさん入っています
⇒n型半導体 - もう片方のへやには、電子が足りなくてあいた「穴(あな)」のようなもの、「正孔(せいこう)」が、たくさんあります
⇒p型半導体
この2つのへやが、ぴったりくっついているのがLEDです。
下の図を見てみてください。左のへや(青色)に電子(-)、右のへや(オレンジ色)に正孔(+)が入っています。

電気を流すと、中で何が起きるの?
LEDに電池をつなぐと、電池が電子と正孔をおしたり、ひっぱったりする力を生み出します。マイナスの電気を持つ電子は、電池の力でおされて右のほうへ、正孔は左のほうへ、それぞれ真ん中に向かって動かされていきます。ちょうど、風船を手でおすと転がっていくのと同じように、電池の力が電子と正孔を真ん中へ真ん中へと動かしているのです。
そして、ちょうど真ん中で、電子と正孔が出会います。
正孔というのは、じつは「電子がいなくなった、あいている席(せき)」のようなものです。ですから、動いてきた電子が、真ん中で正孔(あいている席)を見つけると、その席にすっぽりとおさまります。電子は自由に飛びまわっていたときよりも、席におさまったときのほうが、元気(エネルギー)を使わずにすむ、らくな状態になります。すると、電子と正孔は、それぞれ「動きまわる電子」「あいている席」ではなくなるので、2つとも見えなくなってしまいます。
このとき大事なのが、電子が自由に飛びまわっていたときに持っていた、あまった元気です。席におさまって、らくになった分だけ、元気があまってしまうのです。このあまった元気が、そのまま消えてしまうのではなく、「光」に姿を変えて、外へ飛び出してきます。

これが、LEDが光る理由です。つまりLEDは、電池の力で電子と正孔を真ん中に集めて出会わせ、電子が席におさまるときにあまる元気を、光に変えている部品なのです。
どうしてLEDには赤や青、いろいろな色があるの?
LEDの色は、中に使われている材料によって決まります。赤く光る材料もあれば、青く光る材料もあり、1つのLEDが違う色を出すことはありません。
では、白く光るLEDはどうなっているのでしょうか。じつは白色LEDの多くは、青く光るLEDに、光を黄色っぽく変える「蛍光体(けいこうたい)」という粉のようなものを重ねて作られています。青い光がこの粉を通ることで、青と黄色が混ざり合い、私たちの目には白い光として見えるのです。
もっと知りたい人へ(専門的な解説) ここまでの「へや」は、正しくは「半導体(はんどうたい)」と呼ばれる材料でできています。電子が多いほうを「n型半導体」、正孔が多いほうを「p型半導体」と呼び、この2つがくっついた場所を「pn接合(ピーエヌせつごう)」と言います。順方向に電圧をかけると、電子と正孔がpn接合部で出会って「再結合(さいけつごう)」し、そのエネルギー差(バンドギャップ)に応じた波長の光(光子)が放出されます。光の色はこのバンドギャップの大きさで決まり、材料にはGaN(窒化ガリウム)やGaAs(ヒ化ガリウム)といった化合物半導体が使われます。なお、室温で実用的な可視光を出すLEDは、1962年にアメリカのニック・ホロニアック氏(当時ゼネラル・エレクトリック社)によって開発されました。
2. まとめ
LEDが光る理由をまとめると、次のようになります。
- LEDの中には、電子がたくさんある部屋と、正孔(穴)がたくさんある部屋がくっついている
- 電気を流すと、電子と正孔がそれぞれ動いて、真ん中で出会う
- 電子と正孔が出会って1つになるとき、あまった元気が光になって飛び出す
- 光の色は、使われている材料によって決まる
- 白色LEDの多くは、青いLEDの光を蛍光体(黄色っぽく変える粉)で変えて作られている
電球のように熱を出して光るのではなく、電気を直接光に変えるからこそ、LEDは熱くなりにくく、長持ちしやすいのですね。ふだん何気なく見ているLEDの光にも、こんなおもしろいしくみがかくれていました。
3. 参照元
- 大塚商会「LED発光ダイオードとは」 https://www.otsuka-shokai.co.jp/products/led/knowledge/light-emitting-diode.html
- REVOX「LED(発光ダイオード)の仕組み」 https://www.revox.jp/column/light-intro/ledlightemissionprinciple/
- ウシオ電機「発光ダイオード」 https://www.ushio.co.jp/jp/technology/glossary/glossary_ha/light_emitting_diode.html
- 東芝デバイス&ストレージ「LEDの発光原理」 https://toshiba.semicon-storage.com/jp/semiconductor/knowledge/e-learning/discrete/chap5/chap5-2.html
- パナソニック「LEDの発光原理と白色LEDの仕組み」 https://www2.panasonic.biz/jp/lighting/led/basics/principle.html
- TechWeb(ローム)「LEDデバイスについて」 https://techweb.rohm.co.jp/product/opto-electronics/led/16284/
- マイクラフト「LEDの発光原理・構造と仕組み」 https://www.my-craft.jp/html/aboutled/led_genri.html

