蜂が集めた自然のあめ玉?蜂蜜のふしぎ

暮らしと科学のハテナ

蜂蜜の作り方についてみていきましょう!
ただ蜜を運ぶだけはありません!

そもそも「花の蜜」とはなにか?

蜂蜜のもとになる「花の蜜」ですが、そもそも植物はどうして甘い蜜を出しているのでしょうか。

植物が虫をよぶためのごほうび

植物は自分で動くことができないため、花粉をほかの花へ運んでもらう必要があります。そこで、チョウやハチなどの虫に来てもらうための「ごほうび」として甘い液体を出しています。

蜜がつくられる場所

花の蜜は、花の奥などにある「蜜腺(みつせん)」という特別な器官から分泌されます。

花の蜜の成分

花の蜜の大部分は水で、そこに植物の光合成によってつくられたショ糖(お砂糖の主成分)などの糖分が溶け込んでいます。採りたての花の蜜は水分が約60~80%と多く、サラサラとしています。

蜂蜜ってどんなもの?

蜂蜜は、ミツバチがさらさらとした花の蜜を濃縮したものです!

蜂蜜ができるまでのステップ

花の蜜を集める

ミツバチは花をめぐり、吸い取った蜜を「蜜胃(みつい)」という特別な袋にためて巣へ持ち帰ります。

体の中で変化させる

巣に戻ったミツバチは、仲間に蜜を渡します。そのとき、ミツバチの唾液に含まれる酵素の力によって、蜜の主成分であるショ糖が、ブドウ糖と果糖という体に吸収されやすい糖へと変化します。

風を当てて水分を飛ばす

花から採りたての蜜は水分が多くサラサラしています。ミツバチたちは巣の中で羽を激しく動かして風を送り、水分を約20%以下にまで蒸発させて、とろりとした状態に濃縮します。

みつろうでフタをする

しっかり濃縮された蜂蜜が完成すると、ミツバチは自分たちが出す「みつろう」で巣の部屋にフタをして大切に保存します。

どうして腐りにくいの?

蜂蜜は何年も長持ちする食品として知られています。これにも、しっかりとした理由があります。

水分がとても少ない

カビや細菌などの微生物は、水分がないと繁殖できません。蜂蜜は水分が極めて少ないため、微生物が生きていけない環境になっています。

糖の濃度がとても高い

蜂蜜は大部分が糖分です。濃い糖分の中に入った細菌は、水分を吸い取られてしまい、活動できなくなります。

弱酸性の性質を持っている

蜂蜜には微量の有機酸が含まれており、弱酸性に保たれているため、多くの菌にとって増殖しにくい状態になっています。

大切な注意点:1歳未満の赤ちゃんにはあげないで

蜂蜜は栄養豊富でおいしい食品ですが、1歳未満の乳児には決して与えてはいけません。

ボツリヌス菌のリスク

自然界にある蜂蜜には、ごくまれに「ボツリヌス菌」の芽胞(硬い殻のようなものに包まれた休眠状態の菌)が含まれていることがあります。

腸内環境のちがい

1歳を過ぎると腸内環境が整い、菌に負けないようになりますが、腸内環境が未発達な乳児が口にすると、体内で菌が増えて毒素を出し、「乳児ボツリヌス症」という重い病気を引き起こすおそれがあります。加熱してもこの芽胞は死ににくいため、お菓子などに使われている場合も含めて、1歳までは避ける必要があります。

もっと知りたい人への専門的な解説

植物の「蜜腺(ネクター腺)」から分泌されるネクター(花の蜜)は、師管液に由来するスクロースを中心とした水溶液です。これに対し、ミツバチの唾液腺や下咽頭腺から分泌される「インベルターゼ(スクラーゼ)」によって加水分解され、グルコースとフルクトースの等モル混合物(転化糖)へと変化したものが蜂蜜の主成分となります。長期間保存が可能なメカニズムには、水分活性(Aw)が約0.6前後まで低下する点や、グルコースオキシダーゼ酵素の働きで生成されるグルコン酸によるpH低下(約3.2~4.5)、微量の過酸化水素による抗菌性が複合的に関与しています。興味がわいた人は「花外蜜腺」「転化糖」「水分活性」などのキーワードで調べてみてくださいね。

まとめ

花の蜜は植物からの甘いお礼であり、蜂蜜はそれをミツバチたちが魔法のように熟成・濃縮させた自然の宝物です。

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参照元

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