夜、空を見上げると、たくさんの星がきらきらと光っていますよね。
「あの星、何億キロも遠くにあるんだよ」と聞くと、「どうしてそんなに遠くの光が消えずに、私たちの目まで届くのかな?」と不思議に思ったことはありませんか。
部屋の明かりや懐中電灯の光は、遠くまで行くと消えてしまうのに、なぜ夜空の星の光はずっと旅を続けられるのでしょうか。
今回は、宇宙の広がりと光のひみつを一緒にのぞいてみましょう。
遠くの星の光が届くのはどうして?
光はエネルギーを持った波と粒の性質があるから
懐中電灯をつけて遠くを照らすと、遠くに行くほど暗く、弱くなりますよね。
ですが、実は光そのものは、途中で勝手に弱まって消えてしまうことはありません。光はエネルギーそのものであり、何か別のものにぶつかって吸収されないかぎり、宇宙空間をどこまでも真っすぐに進み続けます。
身近な場所で懐中電灯の光が届かなくなるのは、空気中にある小さなチリや気体の粒にぶつかって散らばったり、光が四方八方に広がることで密度が薄くなったりしているからです。光そのものが消えているわけではないのです。
宇宙空間が「ほぼ何もない真空」だから
夜空の星から放たれた光が途中で消えない最大の理由は、宇宙が「真空」に近い空間だからです。
地球のまわりには空気がありますが、宇宙空間には空気がほとんどありません。星と星の間はとても広く、光の邪魔をするチリやガスがほとんど存在しないのです。

遮る壁も障害物もないため、星から出発した光は、何百万年、何億年という気の遠くなるような時間をかけても、誰にも邪魔されずに宇宙を突き進むことができます。
もともとの光がものすごく強力だから
では、星が発した光はどれだけ距離が進んでも、明るいままなのでしょうか?実はそうじゃありません・
光は四方八方に球のように広がっていくため、距離が離れるほど同じ面積あたりに届く光の量は減っていきます。距離が2倍になると明るさは4分の1に、距離が3倍になると明るさは9分の1に減ってしまいます。

それでも地球から見える理由は、星が放っている光のエネルギーがとてつもなく強大だからです。
夜空に見える星の多くは、太陽と同じように自ら莫大な熱と光を放つ大きな火の玉の天体(恒星)です。元のエネルギーが桁違いに大きいため、途中で大きく薄まったとしても、地球に届いたごくわずかな光の粒が私たちの目に届き、点として輝いて見えるのです。
見ている光は「昔の星の姿」
光は1秒間に約30万キロメートル(地球を約7周半する速さ)という途方もないスピードで進みます。それでも宇宙はあまりにも広大です。
たとえば、お隣の太陽系の星や、もっと遠くの星座の星から出た光は、何年、何百年、何万年もかけて地球へ旅をしてきます。つまり、私たちが今夜空で見上げている星の光は、何年も前にその星を出発した「過去の光」なのです。遠い星を見つめることは、宇宙の昔の姿をのぞき見ていることと同じなんですよ。
もっと知りたい人への専門的な解説
光が宇宙を旅する仕組みには、物理学や天文学の奥深い原理が関わっています。興味がわいたら、ぜひ次のキーワードを図書館の本やインターネットで調べてみてくださいね。
- 逆2乗の法則(ぎゃくにじょうのほうそく)
点光源から放射された光の明るさ(照度)は、光源からの距離の2乗に反比例して暗くなります。距離が10倍になれば明るさは100分の1になります。それでも見える恒星のエネルギーの大きさを実感できる法則です。 - 光子の直進とエネルギー保存
光は「光子(フォトン)」という素粒子でもあります。真空中では光子が他の物質と相互作用しないかぎりエネルギーを失わず、運動量を保ったまま直進し続けます。 - 星間減光(せいかんげんこう)
宇宙は完全な真空ではなく、ごくわずかに「星間ガス」や「星間塵(ダスト)」が存在します。これによって光が吸収されたり散乱されたりして赤っぽく暗く見える現象を星間減光と呼びます。天文学者はこの減光を計算に入れて星の本当の明るさを調べています。
まとめ
星の光が何億キロも離れた地球に届くのは、宇宙が邪魔者のない広大な空間であり、星が信じられないほど強いエネルギーで輝き続けているからです。今夜見上げる星の輝きから、はるかな時空を旅してきた光のロマンを感じてみてくださいね。
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参照元
- 国立天文台(NAOJ)「よくある質問:星の明るさと距離」
https://www.nao.ac.jp/faq/ - 宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所「宇宙の基礎知識」
https://www.isas.jaxa.jp/ - 文部科学省「宇宙のひみつをさぐる」学習資料
https://www.mext.go.jp/

