太陽って、さわってないのになんであったかいの?

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お日さまにあたると、ぽかぽかしてきもちいいですよね。でも、よく考えると不思議じゃありませんか? 太陽は空の遠くにあって、わたしたちにさわっているわけじゃないのに、どうしてあったかくなるのでしょう。

今回は、まず子どもにもわかるやさしい説明をしたあとに、「電磁波(でんじは)」というキーワードを使って、もう少しくわしい大人向けの解説もお届けします。

かんたん解説:たき火とおなじしくみ

たき火やストーブを思い出してみてください。火に直接さわったらやけどをしてしまいますが、少しはなれたところから手をかざすだけで、じんわりあったかく感じますよね。

これは、火から「見えない光」がたくさん出ていて、その光が手にあたっているからです。この見えない光のことを「赤外線(せきがいせん)」といいます。赤外線は目には見えないけれど、あたったところをあたためる力を持った光です。

太陽もこれとおなじしくみです。太陽の表面はおよそ6000度もの高温で、そこから目に見える光といっしょに、たくさんの赤外線が出ています。この赤外線が、何もない宇宙空間をとおって、遠い地球までとどきます。空気がなくても光は進めるので、太陽と地球のあいだに何もなくても、あたたかさはちゃんと運ばれてくるのです。

お日さまが雲にかくれるときゅうに寒く感じるのも、雲が光をさえぎって、いっしょに赤外線もとどきにくくなるからです。光がとどかなければ、あったかさもとどかなくなる、というわけですね。

くわしく知りたい人へ:電磁波の話

ここからは、もう少しくわしく知りたい方向けの解説です。

電磁波とは何か

光の正体は「電磁波」と呼ばれるものです。電磁波とは、空間の中で電場(電気の力がはたらく場)と磁場(磁石の力がはたらく場)が、たがいに振動しながら伝わっていく現象のことです。この振動は、真空中を光の速さ(秒速およそ30万km)で伝わっていきます。

電波もラジオもテレビの電波も、そして目に見える光も、実はすべて同じ「電磁波」の仲間です。違いは「波長」、つまり波一つ分の長さです。波長が長いものから順に、電波、赤外線、可視光線(目に見える光)、紫外線、X線、ガンマ線と呼び方が変わっていきます。

太陽光にふくまれる3つの光の波長

太陽から届く光には、主に次の3種類が含まれています。波長の境界は資料によって多少の幅がありますが、おおよそ次のように整理されています。

  • 紫外線:波長がおよそ10〜400ナノメートル(nm)。目には見えず、化学的な作用が強い光です。
  • 可視光線:波長がおよそ360〜400ナノメートルから760〜830ナノメートル。人の目に見える光で、波長のちがいが色のちがいとして感じられます。
  • 赤外線:波長がおよそ780ナノメートルから1ミリメートル。目には見えず、熱として物体に吸収されやすい光です。

つまり、太陽光はこの3種類の光がひとまとまりになって地球に届いている、ということになります。

なぜ波長によって「はたらき」がちがうのか

電磁波は波としての性質だけでなく、光子(こうし)と呼ばれる小さなエネルギーのかたまりとしての性質も持っています。そして、波長が短い光ほど、光子ひとつが持つエネルギーは大きくなるという関係があります。

紫外線は波長が短く、光子のエネルギーが大きいため、皮膚の細胞の中で化学的な変化を引き起こしやすくなります。専門家の解説によれば、紫外線は主に「光化学作用」を、可視光線・赤外線は主に「光熱作用」を起こすとされています(今川・宮坂, 2012)。いっぽう赤外線は波長が長く、光子のエネルギーは比較的小さいのですが、物体の分子を振動させることで、熱として吸収されやすい性質を持っています。

日光を浴びたときに感じる「あったかさ」は、主にこの赤外線による光熱作用によるものです。一方、日焼けなど肌の化学的な変化に関わるのは、主に紫外線による光化学作用ということになります。同じ太陽光の中にある光でも、波長のちがいによって、体への働きかたがまったく異なるのです。

「放射」で熱が伝わるということ

熱の伝わり方には、ものに直接触れて伝わる「伝導」、空気や水が動くことで伝わる「対流」、そして電磁波によって伝わる「放射(輻射)」の3種類があります。太陽の熱が届くのは、この放射によるものです。放射は空気などの媒介物がなくても伝わることができるため、真空である宇宙空間を通り抜けて、地球にまで熱を運ぶことができます。

まとめ

  • 太陽光は、紫外線・可視光線・赤外線という、波長のちがう光がまとまって届いている
  • 光の正体は電磁波であり、電場と磁場の振動が空間を伝わる現象である
  • 赤外線は物体に吸収されると熱として感じられ、これが日光の「あったかさ」のもとになっている
  • 紫外線は光子のエネルギーが大きく、皮膚の化学的な変化(日焼けなど)に関わっている
  • 熱が空気のない宇宙空間を越えて届くのは、「放射」という熱の伝わり方によるものである

日光の「あったかさ」は、太陽から届く赤外線という見えない光が、肌の上で熱に変わることで生まれています。同じ太陽光の中にある紫外線とはたらきが異なる、ということもあわせて知っておくと、日光との付き合い方も少し変わってくるかもしれませんね。

参照元

  • 中谷宇吉郎 雪の科学館「太陽の熱」 https://yukinokagakukan.kagashi-ss.com/oshiete/%E5%A4%AA%E9%99%BD%E3%81%AE%E7%86%B1/
  • 今川孝太郎・宮坂宗男「光が皮膚に与える影響」日本レーザー医学会誌(JJSLSM)第32巻第4号(2012年) https://www.jstage.jst.go.jp/article/jslsm/32/4/32_444/_pdf
  • ウシオ電機「電磁波と光」 https://www.ushio.co.jp/jp/technology/glossary/material/attached_material_01.html
  • 株式会社藤田電機製作所「光の波長(Wavelength of light)」 https://f-opt.jp/useful/wavelength_of_light/
  • 東邦大学「可視光線」 https://www.toho-u.ac.jp/sci/biomol/glossary/chem/visible_light.html
  • CCS株式会社「『光』は『電磁波』の一種」 https://www.ccs-inc.co.jp/guide/column/light_color/vol02.html

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