髪がうねるのはなぜ?くせ毛の仕組みを解説!

暮らしと科学のハテナ

寝て起きたとき、お風呂を上がったときなどに、髪の毛が大暴走!

雨の日になると髪が広がってしまったり、部分的にふわふわ浮いてしまったりすることもありますよね。実は、髪の毛がまっすぐ(直毛)になるか、くるくる曲がる(くせ毛)かには、きちんとした体の仕組みや理由が隠されています。

今回は、日々の生活の中で感じる髪の毛の「なぜ?」を解き明かすために、くせ毛が生まれる理由を分かりやすく解き明かしていきます。

髪の毛はどうして曲がるの?くせ毛ができる理由

くせ毛ができる仕組みには、主に
「毛穴の形」
「生えてくるときの曲がり具合」
「髪の毛の内部のバランス」

という3つの大きな要素が関係しています。

毛根と毛穴の形が違っている

まっすぐな髪の毛が生えてくる頭皮の毛穴は、きれいな円形(丸型)をしていて、頭皮に対してまっすぐ伸びています。ここを通って生えてくる髪の毛は、断面が丸く、まっすぐ素直に伸びていきます。

一方、くせ毛が生えてくる毛穴は、少しつぶれた楕円形(だえんけい)や、しずくのような形をしています。さらに、毛穴の出口が頭皮に対して斜めに曲がっていることも珍しくありません。曲がったストローから押し出されるところを想像してみてください。押し出されたものは自然とカーブを描きますよね。髪の毛も同じように、斜めに曲がった毛穴から無理に押し出されることで、うねりながら外に出てくるのです。

髪の毛の断面の形が丸くない

毛穴の形が楕円形だと、生えてくる髪の毛そのものの断面(輪切りにしたときの形)も、丸ではなく平たい楕円形になります。

均一な太さの丸い棒はどの方向にも同じ力で曲がりますが、平たいリボンや細長い紙テープを引っぱると、自然とくるくると丸まりますよね。髪の毛も断面が楕円形になっていると、曲がりやすい方向と曲がりにくい方向が生まれ、自然とねじれやうねりが発生します。

髪の内側にある2つの成分の並び方

髪の毛の中身は、細長いタンパク質がたくさん集まって作られています。このタンパク質には、大きく分けて以下の2つの性質があります。

  • 水分を吸いやすいタンパク質(水を吸うと膨らむ)
  • 水分を吸いにくいタンパク質(水を吸ってもあまり膨らまない)

まっすぐな髪の毛では、この2種類のタンパク質が全体にバランスよく均等に散らばっています。しかし、くせ毛の場合は、この2つが左右や前後に偏って並んでいます。

雨の日や湿気が多い日に髪の毛がうねりやすくなるのは、この偏りが原因です。湿気を吸いやすい部分だけが大きく膨らみ、吸いにくい部分はそのままの大きさを保つため、髪の毛の内側で長さのズレが生じて、ぐにゃりと曲がってしまうのです。

生まれつきの性質と遺伝

「どうして最初からくせ毛の人と直毛の人がいるの?」という疑問もありますよね。毛穴の形や髪の毛の作られ方は、お父さんやお母さんから受け継ぐ体の設計図(遺伝情報)に大きく左右されます。

くせ毛になる特徴は遺伝しやすい性質を持っているため、家族にくせ毛の人がいる場合、その特徴を受け継ぐ可能性が高くなります。これは一人ひとりの個性であり、肌の色や背の高さが人それぞれ違うのと同じ自然なことです。

さらに深く知りたい人へ!一歩進んだ専門的な解説

もっと詳しく科学的に知りたいときは、以下の専門用語を手がかりに調べてみると、高校や大学で学ぶような面白い生化学・毛髪科学の世界に出会えます。

  • コルテックスの2層構造(オルソコルテックスとパラコルテックス)
    髪の毛の中心部分(毛皮質=コルテックス)には、水になじみやすい「オルソコルテックス」と、水になじみにくい「パラコルテックス」が存在します。この2種類が同心円状ではなく、左右に分かれて偏在(へんざい)することで毛髪のうねり(捲縮=けんしゅく)が生まれる仕組みをぜひ調べてみてください。
  • ジスルフィド結合(SS結合)とタンパク質立体構造
    髪の毛の主成分である「ケラチン」というタンパク質は、アミノ酸の一種であるシスチンを多く含んでいます。このシスチン同士がつながる「ジスルフィド結合(S-S結合)」が、まっすぐではなくズレた位置で結びつくことで髪の歪みが固定されます。パーマや縮毛矯正が髪の形を変える原理にも深く関わっています。

おわりに

くせ毛は、毛穴の形や髪の内部にあるタンパク質の並び方など、体が持つ繊細で不思議な仕組みによって作られています。

自分の髪の性質をよく知ることで、雨の日の広がりへの向き合い方が分かったり、自分だけの魅力的なヘアスタイルを楽しんだりするきっかけになります。

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